カラ瓶



俺の親父の部屋には砂の入った瓶が置いてある

タンスの上に置かれてあるそれはたまに親父が瓶を手に取り眺めている

なんでもそれは親父が学生の頃甲子園に出場した時

持ち帰った土だと言ってたのを思い出す

俺には関係ないが・・・

ただ毎日を無駄に過ごし

中年になったら後悔するだろうと思っているがその生活をやめられない


だから最近自分自身にイラつく

そういう日に限って学校でも腹が立つ事があった

その上家に帰ったら親父に説教をされた

どいつも俺の生活態度を直せとと説教してくる

この繰り返しは別に珍しくないだが今回は違った。

説教された後

ベッドに寝転がって考えていた。

確かに自分はいい加減な奴と思っている

誇りも何も無く周りの奴からは馬鹿にされ

ただなんとなく生きている情けない奴だと

そんな事はわかっている

解かっている事を親父は説教する。

それがものすごく腹が立つ

だからだろうか・・・?



次の日

親父が仕事に出かけたのを見計らって

あの瓶の中の砂を庭にばらまいた

なんだか凄く快感だった。

『ざまあみやがれ!』

狂喜のあまり高笑いをした

だが少したってから後悔し始めた

自分の悪い癖である冷静になれない

それが浮かび上がる瞬間でもあった。


慌てて砂を拾い集めようとした

だが庭の砂と混ざった甲子園の土をみつけるなど

雲をつかむ様なものだった

今更後悔しても遅かった。

空瓶を持って玄関で土下座をして

親父の帰りを待った

殴られるのを覚悟で・・・

しばらくして親父が帰ってきた。


いきなり玄関で息子が土下座をしていたのが妙だったのだろう

親父は戸惑っていた。

しかし空瓶を見ると親父の表情が変わった。

『ちょっと俺の部屋に来い』

と言い俺を部屋に連れて行った。

部屋の中で親父は何も言わず俺から空瓶を取った。

『別に過ぎたことをどうこういってもしかないなしかも土だしな』

俺は少し拍子抜けした。

殴られるのかと思ったからだ。

さらに親父は言う

『この空瓶の中には俺の誇りが入っていただがそれはいまはないお前が俺の変わりに人生の中で誇りに思う物をいれて来い!俺の誇りを超えるものをな』

俺は呆然となった

無気力の俺が甲子園よりも誇りになるもの捜す・・?

その後ベットで思いふけていた

親父の主な説教はおれがグウタラに過ごしていることについてだった

親父はとってそれは頭痛の種だったかもしれない

けど俺は変わろうと思う

とりあえず。明日から真面目に学校に行こう

小さい事だがそれから始めたい。

そしてコツコツと努力していきたい

自分の誇りをこの空瓶に詰めるまで


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